タイトル

ワカサギ三十句 上

 

俳句

夏井いつき

 

 

網走湖ワカサギ隊の皆さんに捧ぐ

 

立春の氷上に咲くテント群

おう!と応えて光れる雪のサングラス

木炭三箱水三ケース橇を引く

テント六基張ってワカサギ釣り本部

雪の鳥くる太陽は無言なり

雪の幹に括り付けたる温度計

担ぎ来る氷に穴を空ける棒

この蛆虫が公魚を釣る餌だとは

氷湖眩し竿に鳴る鈴あいらしき

釣り上げしワカサギ跳ねて雪まみれ

氷上に叩く公魚計数器

沼カレイのちくしょう!氷上に放る

凍てきった釣針凍てし指に刺さる

スコップの立てたるが凍つそのまま凍つ

雪の足跡はここから引き返せり

 

 

奥付

ワカサギ三十句 上

 

2020714日発行

 

俳句

夏井いつき

発行人

加根光夫

発行元

株式会社 夏井&カンパニー

URL https://www.natsui-company.com/

©Natsui&Company 2020, Printed in Japan

複写・複製した限定版デジタル句集を、無断で販売することを禁じます。