タイトル

ワカサギ三十句 下

 

俳句

夏井いつき

 

 

網走湖ワカサギ隊の皆さんに捧ぐ

 

炭熾す手に雪片の殺到す

鹿肉を削ぐや雪また猛り出す

ホットワイン注ぐコッヘル雪の声

眼鏡のつるに小さき氷柱かな

放りよこせる酒瓶雪に突き刺さる

わかさぎを焼けばみな火に集い来る

流氷の噂のとどく町の月

洗っても洗っても公魚臭き髪の先

氷上に風しらじらと朝の月

雪風や列車はオホーツク2号

あの枝は大鷲の枝ゆきの枝

氷上に何をスケッチする男

ハンマーで砕くや凍るペグ百本

引き抜きしペグのたちまち凍りけり

太陽は凍れる鈴のごと眩し

 

 

奥付

ワカサギ三十句 下

 

2020721日発行

 

俳句

夏井いつき

発行人

加根光夫

発行元

株式会社 夏井&カンパニー

URL https://www.natsui-company.com/

©Natsui&Company 2020, Printed in Japan

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