ずっと考えていました。俳句に何が出来るのだろう。いま、俳句に何が出来るのだろう。結論は出ません。

なので、いま、俳句をみなさんに届けする。夏井いつきの句を。

『花二十句』を皮切りに、いままでは限られたみなさんにしかお読みいただけなかった句を「小さな句集」としてお届けして、毎週、ホームページで公開します。

新しいデザインで、プリントアウトも出来るようにしました。視覚障害の方にもお届けできるよう音声読み上げ用のテキストもあります。

このコロナが収まるまで、毎週、お届けします。

 

夏井&カンパニー代表取締役

加根 兼光

 

タイトル

蝶語三十句 下

 

ある日、蝶の言葉が分かる自分に気づいた。

俳句という「聞き耳頭巾」が聴きとった蝶たちの言葉。

 

 

アウシュビッツへ蝶はひかりをぬぐ速度

光年の無音へ蝶の砕け散る

 

蝶の飛ぶ波動どこかの山崩

蝶のいない町に滞在して三日目

 

ジェルソミーナと名づけて白き蝶つぶす

蝶臭き指もて絞むる人の首

 

長老とおぼしき蝶の白錆びて

青空や蝶百頭を贄として

 

王国はもう来ているか蝶の昼

聖痕のごとくに蝶の鱗粉は

 

蝶は風にもんどりうって光りだす

蝶や今もう戻れない高さまで

 

朝星やうすずみいろに蝶の紋

湯に入れば一茶の蝶もきてござる

 

身の軽し蝶語解してよりの日々

 

 

奥付

 

蝶語三十句 下

2020512日発行

俳句と文 

夏井いつき

発行人

加根光夫

発行元

株式会社 夏井&カンパニー

URL https://www.natsui-company.com/

©Natsui&Company 2020, Printed in Japan

複写・複製した限定版デジタル句集を、無断で販売することを禁じます。