株式会社 夏井&カンパニー

象の糞ほくりとくづれ桜さく  夏井いつき

季語
季節
晩春
分類
植物
鑑賞

 動物好きの私は、糞を見つけたら観察(毎回ではない)する。糞には、様々な情報があり、健康状態は勿論、何を食べたのか(私にそこまでの慧眼はないが)持ち主が誰かさえ分かる。
 ほくりとくづれた糞は、焼き芋のようにほくほくとした湯気が立ち、優しくくづれたのだろう。そんな糞と桜の取り合わせなのだろうが、先の私の性質から、別の発想が生まれた。
 象の側に桜があり、その花びらを象が食べ、落語の「あたま山」のように、糞から桜の木がにょきにょき生えてきたようにも思えた。
 近くの公園で、「忘れもの犬の糞」と、書いてあるのを見た。あちこちの忘れものから、桜が咲いたら楽しいなあ。
 とはいえ、糞は持ち帰りましょうね。
    
(鑑賞:天野姫城)
(出典:句集『伊月集 龍』)