株式会社 夏井&カンパニー

しんしんとソムチャイさんの冬服に  るびい

季語
冬服
季節
三冬
分類
人事
鑑賞

 「ソムチャイさん」は、南方からの留学生でしょうか、観光客でしょうか。着慣れない「冬服」を着ている「ソムチャイさん」のぎこちない、それでも冬という季節を新鮮な気持ちで楽しんでいる表情までもが想像できる作品です。
 この句を非常にうまく演出しているのが「しんしんと」という上五のオノマトペ。冬の冷気と同時に、降ってくる雪のイメージを膨らませます。さらにそのオノマトペを受け止めているのが、最後の助詞「に」。この助詞が目に入ったとたん「しんしん」なるものが、今「冬の服」に降ってきたかのような印象を与えます。下五の「冬服に」の後の切れのない余情も、深い味わいを残します。
  
(鑑賞:夏井いつき)
(出典:松山市公式サイト『俳句ポスト365』2015年2月6日掲載分)