株式会社 夏井&カンパニー

雪の夜の冬剪りダリア束ねらる  夏井いつき

季語
季節
晩冬
分類
天文
鑑賞

 雪の夜である。外はしんしんと降る雪の音のない世界。本来夏の花であるダリアが束ねられるほどの数で室内に置かれている。
 ということは農家のハウス栽培でつくられたダリアであろうか。明日の出荷に向けてダリアはおそらく八分咲きぐらいの状態で作業場に置かれている。売るためのものであるならばその茎はまっすぐで整然とした姿だ。
 外の暗闇の中を降り続く雪の白さ、ダリアの色の鮮明さ、ぴんと張り詰めたような空気とその温度。
 作業が終わり電気は消されるが束ねられたダリアにはスポットライトのように光が当たっている。
     
(鑑賞:矢野リンド)
(出典:句集『伊月集 龍』)