株式会社 夏井&カンパニー

仏壇のまへで昼寝をしてゐたる  夏井いつき

季語
昼寝
季節
三夏
分類
人事
鑑賞

 仏壇があるのは、薄暗い静かな座敷。ここだけ少し空気がひんやりしているような。
 仕事が立て込んで、夜も暑くて寝苦しい。そんな日々のすき間の時間。ちょっとだけ横になるといつのまにか眠っていたらしい。
 向こうの部屋から家族の声が聞こえます。何を言っているのかまでは分からない声が、子守唄のようにさざめいて、その声の中にはもういないはずの家族の声も混じっているような気がするのです。
 もう少しだけ眠っていよう。

(鑑賞:富山の露玉)
(出典:句集『伊月集 龍』)