株式会社 夏井&カンパニー

日日草点字タイプのベルちさし  てん点

季語
日日草
季節
晩夏
分類
植物
鑑賞

 1行32マスの「点字タイプ」には「後6字打てますよ、と知らせるベルが付いている」のだそうです。作者は、日々「点字」に接している方なのでしょう。行の最後を知らせる「ベル」が小さく鳴ると、次の行に移るための操作をし、新しい行に移ると、再び点字を打つ速度をあげてゆく。一連の操作のアクセントのように「点字タイプのベル」は小さな音をつないでいきます。
 「日々草」は、初夏から晩秋まで次々に花をつけるということでこの名がありますが、「点字」を打っていく作業も一つ一つ積み重ねてゆく行為。「点字」に打ち直されていく言葉は、「日々草」の一花一花のようにさまざまな色合いで紡がれていくのでしょう。

(鑑賞:夏井いつき)
(松山市公式サイト『俳句ポスト365』2013年7月19日掲載分)