株式会社 夏井&カンパニー

しつかりと握つたはずの初蛍  夏井いつき

季語
初蛍
季節
仲夏
分類
動物
鑑賞

 「ほらもう蛍が飛んでいたよ」と得意げに見せるはずだったのかしら。
 美しいものを見せてあげたいと思う相手は、大事な人です。
 でも、蛍はもう手の中にはいないのです。儚い蛍の、あの光り、どこにいつ消えたのか。消えた気配も残さずに、こぼれ落ちてしまったように。
 いつの間にか手から抜け落ちてしまっているもの。。。大切なものほど、手の中で握り続けるのは難しいですね。
 蛍は消えても、初蛍を見せてあげたいと思った気持ちは大事な人に伝わりますように。
(鑑賞:富山の露玉)
(出典:句集『伊月集 龍』)