株式会社 夏井&カンパニー

学僧の煮梅差し出す高野山  タ―ナー島

季語
煮梅
季節
三夏
分類
人事
鑑賞

 「高野山」にあるこの僧坊では、自給自足も修行の一つに違いありません。寺に実った「梅」の形の良いものを選んで「煮梅」にし、その他の「梅」は干して漬けて梅干にしているのでしょう。そしてそれらの梅は日々の質素な膳に饗せられるのでしょう。
 「学僧」が手作りの「煮梅」を差し出したのは、僧坊を訪れた客でしょうか。それとも、学問に励む仲間たちとのささやかな息抜きでしょうか。よくよく考えると「高野山」は「梅」の産地でもありますから、取り合わせの句材としては有りがちなのかもしれませんが、「学僧」が差し出す「煮梅」とは、なんとも清貧な味わいの一句。この「煮梅」もまた甘すぎない清々しい味でありましょう。
(鑑賞:夏井いつき)
(ラジオ番組『夏井いつきの一句一遊』2014年6月6日放送分)