株式会社 夏井&カンパニー

ここからがオクラの尻尾けなげなり 神楽坂リンダ

季語
オクラ
季節
三秋
分類
植物
鑑賞

 「ここからがオクラの尻尾」だという「ここから」とは一体どこから?という思いを誰もが持つのが、この句の楽しさ。
 「オクラ」を切っていくと、可愛い星形の断面が幾つも幾つも現れます。次第に細くなる莢の先端に向かって切り続けていくと、星形も次第に小さく小さくなっていきます。星形の断面がついになくなるところを、作者は「ここからがオクラの尻尾」と決めたのでしょう。まな板にある極小の星の形を眺め、なんと「けなげ」であることかと感嘆する作者のまなざしの、なんと優しいことでしょう。
 「オクラ=星」の類想句は多々ありますが、「星」の一語を使わずして無数の星形の断面を見せてくれた、健気な一句であります。

(鑑賞:夏井いつき)
(出典:松山市公式サイト『俳句ポスト365』8月16 日掲載分)